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LとRの発音の練習法

こんにちは!Clever Appleです!今回は、オーストラリアのウーロンゴン大学で英語教授法を学んでいる私が、難しい英語発音の一つである、LとRの発音の練習法について説明していきたいと思います!

 

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■この記事のまとめ■
・多くの日本人の英語学習者の方が苦戦しやすい、LとRの発音練習法についての記事です。

・まだLとRの発音に自信がなく、上手く発音できるようになりたい方は是非ご覧ください!
 
 

 0. なぜLとRの発音ができるようになる必要があるのか?

多くの日本人英語学習者の方が、LとRの発音を難しく感じ、発音習得に苦戦した経験がある、または苦戦していると思います。
 
私も、その2つの音の発音に苦戦した一人であり、何度やっても全然発音できない日々が続きました... 慣れていない音の発音は難しいものです...
 
でも、安心してください!多くの人にとって、LとRの発音が難しいのはごく普通のことなのです!なぜなら、どちらの音も、日本語にはない音だから!
 
 
日本語には、/θ/, /ð/, /f/, /v/, /ʒ/,/l/,  /r/ などの音はないとされ, 発音できるようになるまでに時間を要します(Shimabukuro, 2014)。
 
この記事では、出来るだけ早くLとRの発音ができるようになる練習法をご紹介します!
 
 
 
 
まず、英語の発音の中でも、子音を適切に発音できることは、スムーズな英語でもコミュニケーションにおいて重要です。
 
日本人英語話者が英語のネイティブスピーカーの前で複数の英単語を発音した実験で、意味が誤解された単語の60%以上は、子音の誤用が原因だったというデータもあります(Tsuzuki & Nakamura, 2009)。
 
でも、なぜ数ある英語の子音の中で、LとRの発音ができるようになることが大切なのでしょうか?
 
それは、ずばり、LとRは聞き手の英語の「理解度」に影響するから!!
 
 
 
 
Catford (1987)によると、LとRの二つの音は、Functional load (機能負担量)が83%であり、高い機能負担量と考えられる、51% (Munro and Derwing, 2006)よりも、ずっと高いのです!
 
この機能負担量が高い音は、聞き手の「理解度」に大きく影響します。機能負担量の高い単語は間違えて発音すると、コミュニケーションに影響を及ぼします。
(ちなみに、日本人英語学習者がよく苦戦する/b/と/v/、/z/と/ð/(thの音)の機能負担量はそれぞれ、29%と1%で低い、つまり発音に重要ではありません。)
 
有名な話だと、I eat rice. (私はお米を食べます。)のriceを誤ってliceと発音してしまうと、I eat lice. (わたしは、シラミを食べます。) の意味になってしまいます。(まあ、あまりこの単語で誤解されることはないでしょうが...)
 
まとめると、LとRの音は、円滑な会話のために特に使い分ける必要があるのです。
 

 1. LとRの発音のコツ

それでは、さっそく、LとRの発音練習法をご紹介します!
 
まず、試していただきたいのが、Rの発音方法。
Rの発音の際、舌の先は、口の中のどこにも触れません
 
①まず、日本語の「あ」の口の形を作り、「あー」と発音します。
②そこから舌を徐々に上の方に巻いていきます。すると、自然とRの音になります。
③発音は日本語で表すと、「あーる」ではなく、「あー」なので、「る」は発音しません。
 
rightなどのRから始まる英単語は上の発音方法とは異なります
 
①まず、日本語の「う」の口の形を作り、「うー」と発音します。
②そこから、舌を上の方に巻くと、「う」の音が変わってきます(音が低くなる感じ?)
③最後に②の口の形から、舌を前の方に伸ばしながら、「らい」と発音します。
④他の「り、る、れ、ろ」も同じように練習します。
④慣れてきたら、「うー」の音を出さずに挑戦してみましょう。
 
 
次にLの発音について説明していきます。
 
①Lは日本語の「え」の口の形にします。
②次に「う」と発音しながら、舌の先を、上の前歯と歯茎の間につけるイメージです。(「る」というよりも、「えう」に近い音です。)
 
次にLから始まる英単語の発音方法を紹介します。
 
例えば、lightという単語は、
①舌の先を上の前歯と歯茎の間に付け、
②そこから舌の先を下にはじくように、「らい」と発音します。
③他の「り、る、れ、ろ」も同様に練習します。
 
どうですか?出来ましたか?
最初は出来なくても、徐々に出来るようになってくるはずです!
 
慣れないうちは、鏡を見ながら練習してみるといいと思います!!!
 
 

 2. 単語内で発音できない場所を探す

rightやlightの発音が出来るようになったら、次のステップに進みます。

 

LやRの音が、語頭ではなく、語中や語尾にある単語の練習をしていきます。

 

語中にLやRの音がある単語としては、elbowやproblemなど、語尾にある単語は、littleやcarなどが挙げられます。(語頭よりも語中や語尾のLとRの方が簡単だと感じたら、それらの単語から練習してみてもいいかもしれません。)

 

自分で「発音できるようになったかも!」と思ったら、スマートフォンのSiriなどで英語音声入力設定にし、発音できているか確認するのもGoodです!

 

 

 3. その他の発音練習法:シャドーイング

 
上で紹介した、「①や②の練習法がしっくりこない」、「1つ1つの単語は発音できるようになったから、もっとすらすら発音できるようになりたい!」という方にオススメの発音練習法が、シャドーイングです。
 
シャドーイングとは、流れてくる英語の音声のすぐ後を影のように追うようにして、真似をして発音する学習法です。
 
シャドーイングを続けていると、自然と自分の発音が、モデルの英語話者の発音に似てくるため、文脈の中で発音練習をするのにおススメです。
 
 
シャドーイングの発音矯正の効果はものすごく、続けるほど、メキメキ発音が上達するはずです!
 
 
私も、毎日、約1時間のシャドーイングを続けていますが、最初は、家族から、「そのエセ外国人みたいな格好つけた喋り方気持ち悪いからやめろ。」と言われたものですが、今はさっぱり言われなくなりました笑。シャドーイングのおかげです!笑
 
 
シャドーイングについては今後詳しい記事を書くつもりですが、発音練習のためのシャドーイングスクリプトは、「内容をすべて理解できる、簡単すぎるくらいのレベルのもの」がいいと思います。
 
 
 

 4. まとめ

・今回は、おすすめのLとRの発音練習方法について説明しました。

・具体的な発音方法は、Rで始まる英単語は、「う」の口の形から、徐々に舌を巻いて発音する。Lで始まる英単語は、舌の先を上の前歯と歯茎の間に付け、舌を下にはじく様にして発音する です。

シャドーイングも本当におすすめの練習方法です。ぜひ試してみてください!!
 
 参考文献

     Catford, J. C. (1987). Phonetics and the teaching of pronunciation: A systemic description of English phonology. In J. Morley (Ed.), Current perspectives on pronunciation: Practices anchored in theory (pp. 83-100). Teachers of English to Speakers of Other Languages.

     Munro, M. J., & Derwing, T. M. (2006). The functional load principle in ESL pronunciation instruction: An exploratory study. System, 34(4), 520–531. https://doi.org/10.1016/j.system.2006.09.004

     Shimabukuro, M. (2014). Why is it difficult to articulate in a foreign language?: Explanations from the perspectives of articulatory phonetics and phonology. Ryudai Review of Euro-American Studies, 58, 51-71.

     Tsuzuki, M., & Nakamura, S. (2009). Intelligibility assessment of Japanese accents: A phonological study of science major students’ speech.” In T. Hoffmann, & L. Siebers (eds.), World Englishes – problems, properties and prospects: Selected papers from the 13th IAWE conference (pp. 239–261). John Benjamins.

 
 
楽しい英語学習を!!!!!!